内実コンブリオ


「えっと、もしかして、俺が何かしたん?」

「いえ!ち、違います!!」



ああ、自分はどうしてこんなにも人を傷つけることが得意になってしまったんだろう。

こんな特技、いらない。

どうせなら、もっと素敵な特技を身につけたかった。

きっと先輩は今、悲しそうな顔をして…



「あ!あれか!!この前、華ちゃんの弁当をずっと覗き見しとったやつか?!
ごめん、そこまで気持ち悪がられるとは思ってなかったん!許してっ!!」

「え、な、なんですか、それ」

「え?!違うん?!!えっと…じゃあ…」



また考えだす先輩。

そんなに思い当たることがあるのか。

というより、何、弁当覗き見って。

欲しかったのかな。

あんな真っ黒の卵焼きたちを。

よくよく考えれば、確かに気持ち悪い。



「あっっっ!!!!」

「うわ、びっくりした!」

「もしかして…華ちゃんの足のサイズ、確認しとったんばれたん?!」

「や、やめてください!自分、足、人よりむっちゃ大きいんです!」

「えっ!そうなん?!意外!!」

「………。嘘ですか」

「あはっ!嘘!ごめん!」



いかにもテヘッ、と可愛らしい顔をしてみせて、静止する先輩。


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