友達になれなくて
キャンプファイヤーに火が灯され
賑やかな音楽が流れる頃



一睡もできなかったくせに
門倉に腹立てて
昼間張り切り過ぎた私は
それがたたったのか
見事な充電切れを起こしていた。


『ごめん、舞花。
私、部屋に戻るわ』



充電切れになったのは
見たくないのに視界に入ってきちゃうのも
あったから。



ううん、
私も体調崩して、門倉に
心配して欲しかったからかもしれない。






昼間の山登りで
私が調子に乗って恭子ちゃんを担いだせいか
門倉と恭子ちゃんの距離が縮まったようだった。



門倉。


かあちゃんと私くらいとしか
話さなかったのに…な。



キャンプファイヤーの炎が
チラチラと揺れるたびに
門倉と恭子ちゃんが見え隠れする。




こっち見てよ。




私、部屋に戻るよ?




門倉、気づいてよ。








また、ズルイ私がいた。
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