友達になれなくて

先輩

私達２年生が見送る最後の卒業式。

来年は自分達が見送られる側になるなんて
まだ全然想像つかないや。


先輩が引退して今日のこの日まで
本当にあっという間だった。
自分達の時は、もっと早く感じるのかな？


なんて、のんきな私に
突然の愛の告白‼︎

しかも！
陸上部No. 1人気があった高木先輩から！

陸上一筋で女子になんて目もくれず！
の人だと思ってたのに
私のことが入部した時から
ずっと好きだったなんて！！
本当に光栄なことです。


でも、私は…。



「返事は今すぐじゃなくていいから」
逆に先延ばしにされてしまって悩んでしまう

即決された方が
潔く高校で恋愛出来るだろうし
高校でも先輩はきっとモテるだろうし
会えなくなることも増えるし
可愛い子もいっぱいいるだろうし…


そう思っていたのは私だけなのか…
ここのところ、高校の部活がオフになると
毎日中学校の門で待っててくれていて
一緒に下校することも増えて
周りからは早々にも高木先輩と付き合ってる
なんて噂も流れるくらいだった。


先輩は優しいし、カッコいい。
アイツには出せない
私の中の数少ない可愛いも出せるし。
なぜか素直に話もできるんだよね。
本当に不思議。


私、先輩に惹かれてきてるのかな？


それなのにも関わらず！
アイツは
先輩がオフの日に限って何かと物を頼んでくるし、本当にいつもタイミングが悪い奴！


今日も先輩がオフの日。
アイツに見つからないように
早めに帰っちゃえ〜！



あれ？
私本当に先輩の事が好きになったのかな？


高校に入ってから部活も忙しいのに
新しい出会いもあったはずなのに
私の為に時間を作ってくれる先輩。
アイツとは違う、いつも優しい先輩。


「来週、夏祭り一緒に行かない？」

優しい笑顔で先輩に言われると
断れないんだよね。


夏祭りの苦い想い出が蘇る。

でも、今年は先輩と一緒だし
書き換えられるかもしれないよね！