マリンシュガーブルー
腕に美鈴を乗せたまま、尊はベットに座る。
美鈴の目の前には、あの真摯で綺麗な黒い目。
「ほんとうにいいの、私で……」
「どうして。俺と一緒になるのが怖い?」
「尊さんのことは好き、待っている間も胸が張り裂けそうなほど愛しくてたまらなかった。でも、私、なにも持っていない。尊さんに出会う前の私なんだけれど、」
仕事も恋も自分からやめてしまったような情けない女、いまも自信なんてない、そんな私が警部補の奥様なんて務まるのか……と言おうとした唇を強く塞がれる。いままでの自分を伝えられない。
「なにもいらない。なにも持たずに気持ちと身体ひとつで俺のところに飛び込んできた美鈴だけでいい。俺はいまそれを抱きしめている。俺はあの時の幸せをずっと忘れない」
彼にベッドの上に組み敷かれる。
「これからも、なにも持たずに寅がいる俺の胸に飛び込んできた美鈴は俺のものだ」
寅を背負う男だと思いこんでいる時でさえ、俺のところに飛び込んできた。なにも持たずに身体ひとつで。それで充分。
彼がまた美鈴の唇を激しく愛撫する。
美鈴も彼の背中にしがみつく。やまないキスに一緒に夢中になりながら、彼の熱い手が美鈴のワンピースの胸元に滑り込んでいく。欲情を漂わせた指先が、下に潜り込んでいく。
美鈴の目の前には、あの真摯で綺麗な黒い目。
「ほんとうにいいの、私で……」
「どうして。俺と一緒になるのが怖い?」
「尊さんのことは好き、待っている間も胸が張り裂けそうなほど愛しくてたまらなかった。でも、私、なにも持っていない。尊さんに出会う前の私なんだけれど、」
仕事も恋も自分からやめてしまったような情けない女、いまも自信なんてない、そんな私が警部補の奥様なんて務まるのか……と言おうとした唇を強く塞がれる。いままでの自分を伝えられない。
「なにもいらない。なにも持たずに気持ちと身体ひとつで俺のところに飛び込んできた美鈴だけでいい。俺はいまそれを抱きしめている。俺はあの時の幸せをずっと忘れない」
彼にベッドの上に組み敷かれる。
「これからも、なにも持たずに寅がいる俺の胸に飛び込んできた美鈴は俺のものだ」
寅を背負う男だと思いこんでいる時でさえ、俺のところに飛び込んできた。なにも持たずに身体ひとつで。それで充分。
彼がまた美鈴の唇を激しく愛撫する。
美鈴も彼の背中にしがみつく。やまないキスに一緒に夢中になりながら、彼の熱い手が美鈴のワンピースの胸元に滑り込んでいく。欲情を漂わせた指先が、下に潜り込んでいく。