マリンシュガーブルー
ほれ、もうひとりに連絡しろや。おまえの負けやろ。連絡せえ。
兄貴はデニムパンツの男を脅し、詰め寄っている。その間といわんばかりに、眼鏡の男は片腕に抱き込んでいる美鈴のエプロンの下に手を忍ばせてきた。
男の骨張った大きな手がブラウスの上からふわっと乳房をもんだ。
「はあ、柔らかいなあ。だんだんその気になってきたわ」
「や、やめて、いや……」
しかもボタンを器用に外してしまい、エプロン下とはいえ、男は美鈴の胸元を開けてしまう。そこからさらに手を突っ込んで、とうとう素肌の乳房を探り当ててしまう。
熱い男の手が、それでも優しく意地悪く柔らかい乳房を弄んだ。どうして。怖い男のくせに、そういう手が優しいなんて残酷な責め。
「うっ……」
柔らかな責めに頬が熱くなってた。でも身体の芯は恐怖でどんどん冷たくなっている。流している涙は痛い。
「あのコックさん、旦那か。旦那の目の前でってのもそそるな。なあ、兄貴。そいつの相棒が来るまでの間、ええやろ」
「気が散るけえ、見えんところでやれや」
兄貴の顎がくいっとトイレへと動いた。美鈴は青ざめる。この男達の非情さに。