マリンシュガーブルー
最近は車を運転する主婦も多いため、立地がどうであろうが新しいカフェということでランチの予約もよく入る。
お子様連れでも困らないような席を考慮するようになってきた。
弟ももうすぐ『パパ』、父親に。小さなお子様を連れているお客様の動向も気になるよう。
そこで美鈴はアンケート用紙をつくった。答えてくれたお子様連れの女性客には、お子様が喜びそうな小さなプレゼントを用意することに。
スイーツを作った後に余ったチョコレートでコーティングしたフレークを、弟が簡単なお礼スイーツとして作ってくれた。これを小さな蓋つきカップ容器に入れ、義妹の莉子がかわいらしく見えるようお洒落なシールを貼ってラッピング。
その成果があったのか、忌憚のないコメントをちらほら取得できるようになってきた。
弟も完璧ではないとはわかっていても、自分の店なので厳しい声をもらうと激しいボディブローを喰らったかのように、閉店後に落ち込んでいることがある。
ここで厳しいことが記されていても腹を立てたりがっかりしてはいけない。これこそ店の改善策、よりよく成長していくためのものだと宗佑にも諭しておく。
「宗佑、ここでめげたらダメだよ。テーブルのレイアウトを変えてみよう」
小さなワンフロアの店となると、子連れとそうではないお客様との過ごし方が違うため、その配慮が必要になる。
テーブルをひとつどけて、小さいながらもキッズスペースを作ることにしてみた。