ほんとの声を聞きたかった
「あーーーーーー、だめだ!やめやめ!!」
カズマがそう言うと、さっきまで広がってた彼らの音があっという間に消えてしまう。
でも私の中では聞こえていた。
まだ、余韻に浸れる。
「この伴奏やと、言ってたあの世界に入れやんくない?」
「確かに。重みが足りない…」
「じゃあ、俺のドラムをーーー」
話し合いながらも刻まれる音に、引き込まれるほかなかった。
▤ ▥ ▦ ▧ ▤ ▥ ▦ ▧ ▤ ▥ ▦ ▧ ▤ ▥ ▦ ▧
どれほど時間が経ったのか、時計を見ないとわからない。
それくらい、時間が経ったのか、まだそんなに経っていないのかわからないほどに麻痺していた。