ほんとの声を聞きたかった
淡々と進んでいく部屋の掃除。
服や物で大きな袋が4袋できた。
そして最後、本棚に溢れるたくさんの小説を手前から片付ける時。
ふと、目に入る小説があった。
ずっと本棚の奥の奥の方へ隠されていた作品。
久しぶりに見るそれは、2年ぶりだった。
「懐かしいな〜。これ、カズマから返ってきたやつだな~」
懐かしさで胸がいっぱいになり、表紙を開いた。
少し色褪せた紙が時の流れを感じさせる。
パラパラとページをめくっていくと、ひらりと小説から一枚の紙が落ちた。