ほんとの声を聞きたかった
「え、なにこれ…こんなの知らんねんけど…
」
ゆっくりとその紙を開くと、SNSのユーザー名とパスワードが書かれていた。
そのユーザー名の主が気になり、とりあえずそのアプリのユーザー名でアカウントを開いてみる。
「カズマのや…」
見たことのないアカウント。
そして綴られている文章。
その綴られている文面の口調は彼のものだった。
初めて知るその事実に、胸が締め付けられる。
嘘だ、ウソだとその文章を読みながら叫んだ。
私の知らなかった彼がここにいる。
2年前の私はこんなことを知る由もなかった。
その後悔は今も拭いきれない。
戻せない時間、取り戻せない過去に歯がゆささえ感じる。
ねえ、やだ…知りたくなかった……
そんな事言ったら私のワガママになるのかな。