切なくて苦しくて、
出会い 出逢い
私のあの夏は唐突なDMから始まった。
私は私立の進学校に通っていたものの、現役時代に受験に失敗し、地元に残って勉強に励んでいた。いわゆる浪人生。
高校の時は割とイケてる方で、髪を染めたり、スカートを短くしたり、お化粧を濃くしていたり、友達も多いし、彼氏もいたり、、本当にJKという言葉が似合う高校生活を送っていた。
そんな私が勉強など急に出来るわけがない。浪人と言っても、かなり遊んでいた。かなり(笑)。TwitterやInstagramの更新も浪人らしくなかっただろう。「今日は海~!」とか「パスタ食べてきた!」とか。
成績は良くもなく悪くもなく。普通。
中学生の時にイジメに遭っていた私は、高校に入り、俗に言う「高校デビュー」をし、TwitterやInstagramのフォロワーが多いのをとても自分で誇りに思っていたし、人気があると思っていた。有名人気分(笑)
あの日、私は友人とお祭りに来ていた。
私の運命を変えてしまったあの日である。
Instagramのストーリー機能に、「お祭りなう」というのを載せた。民謡流しの動画である。
すると、フォローしていた2個上の先輩(顔も名前も分からないけれど、先輩だから一応フォローはしておいた)から「今日祭りなの?」と返信が来た。
先輩は、大学生で他県の大学に通っている。教員になりたいらしい。
「そうです!」私は社交辞令的に返し、「今度俺が帰省したらご飯にでも行こう!」そう言われた。また私は社交辞令的に「ぜひお願いします!」そう言った。
それが私の恋の始まりだったとは知らずに。