キセキに賭けます
1時間目は数学かー。
あんまり好きじゃないな。
そういえば陸斗って中学に入ってから転校してきたんだよね。今思えばあの頃は仲良く出来るか心配だったなー。でも意外に気が会うんだよね。
ーキーンコーンカーンコーン
それに面白いし。
ーザワザワ
ぶっきらぼうだけど優しいし。
「な…りな。」
一緒にいて楽しいし。
「りな!」
「わっ!!って秋菜!なんで?」
「なんで?じゃないでしょ?まわりみてみな!」
「ま、まわり?」
ーザワザワ
「えっとーもしかして授業終わった?」
「そうだよ!もうとっくに終わってる!」
「えー!?ぜんっぜん気がつかなかった!」
「まったくもう!」
ーキーンコーンカーンコーン
「あ、もうなっちゃった〜。じゃあね!」
「うん!」
はぁー、私ったら陸斗のことを考えて、知らぬ間に授業が終わってしまうなんて…
その後も上の空でお昼になってしまった。
「りーな!お弁当たべよ!」
「うん!」
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「は〜!お腹いっぱい!」
「だね〜。」
「あ、ちょっとトイレ行ってくるね!」
「うん!おわっ!!」
「わ!里奈!」
ーズッテーン
ーザワザワ
「いったー。」
まさかみんなの前で激しく転ぶなんて…うう恥ずかし。
「大丈夫?里奈?」
「うん。大丈夫だよ。ありがとう秋菜。」
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はぁーホントに今日は付いてないなー。気晴らしに音楽室に行こうかな。
私は数ヶ月前から音楽室に通っている。最初は目的もなくて、秋菜のピアノ練習に付き添いで行く程度だった。でも、陸斗がフルートを吹いているのを見て、私もフルートを吹くようになった。最初は男子がフルートなんておかしいと思ったけど、だんだん陸斗に似合うようになって、陸斗のような綺麗な音色を出したいと思いだしたのがきっかけでフルートを吹くようになった。今ではそこそこの音はだせる。
♪〜♪〜
また聴こえる陸斗の綺麗な音色が。
ーガラッ
「お!里奈!お前もフルートか?」
「まーね。」
ードレミファソラシド〜♪
ーパチパチパチ
「?」
「だいぶ出来るじゃん!」
「そう?ありがとう。」
「お、おう。ま、まだオレにはかなわないけどな!」
うえから目線に言われても…
「そーだね。」
ーキーンコーンカーンコーン
「里奈!一緒に帰ろ!」
「うん!」
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「ねぇねぇ!あそこのカフェ寄って帰らない?」
「いいね!そうしよ!」
ーカランカラン
「いらっしゃいませー。」


「ご注文をどうぞ。」
「あたし、アイスカフェラテで。」
「私はホットカフェラテで。」
「かしこまりました。」

「ところでさ!里奈は好きな人とかいないの?」
ーギクッ
「い、いないよ。」
「ふーん。」
「そういう明菜は?」
「え?あ、あたし?あたしはいない、かな?」
「ふーん。」
そんな会話をしながら時間が過ぎた。
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「じゃあね!里奈!」
「うん!また明日!」
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