気高き国王の過保護な愛執
テーブルにつきながら、ルビオがうなずいた。


「リッカがいいなら、ぜひ」

「ほんと?」


フレデリカはお茶を用意しながら、目を輝かせる。


「私、ハーブのお店を持つの、夢だったのよ」

「すぐに検討を始めます。城内の部屋をひとつ、工房にしましょうか。容器も仕入れないと」

「薬草の畑も作りたいわ」

「それはね、城内に作るよりいい案があります。あなたの故郷の村で作り、買い取る契約をするんですよ」


ルビオと顔を見合わせる。それはきっと、定期的な収入源になる。新たな産業は、若者を呼び戻すきっかけにもなるだろう。


「すごくすてき」

「そういえば以前リッカに、芍薬を煎じて飲めって言われたね。あれってどういう意味?」


カップを前に置いたとき、ルビオが聞いた。

ぎくっとしたフレデリカを、クラウスが興味深そうに見ているのを感じる。


「あれはね、なんでも…」

「芍薬は、男性の機能不全の解消に飲むものです」


あっさりクラウスに言われてしまい、フレデリカは顔を赤くし、うつむいた。

ルビオが唖然としている。

クラウスは真面目な顔で続けた。


「もしあなたが本当にそんなものの助けを必要としている状態なら、幕僚会議ものですが…」


ルビオの非難がましい視線が耐えがたい。


「ぼくはちゃんと機能してるし、それはリッカだって知ってるはずだけどね!」

「ごめんなさい、口がすべったのよ、本気じゃなかったの」
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