告白の時間
「なんだかそれは千歳が不びんでならないんだけど…もしかして千歳が部活に入らなかった理由って…」

「ああ、たぶんそうだと思う…だというのに、この男は千歳の気も知らず今だにまとわりつきやがってマジ殺ろうか…とか酒を飲むと思ったりする…」

殺気をおびた視線を、桂木は花園へと向けた。

「なるほど…それで頼み事とは何でしょう?」

「…私は基本、千歳が幸せならそれでいいという考えに基づき、この男を何とかしたい。そこで鳴海君には…」

「二人の仲を取り持てと?」

「いや、鳴海君には千歳を口説いて欲しい」

「へ?」

さすがの鳴海も、この展開は予想していなかったらしくキョトンとする。

「まぁ飲んで飲んで…花園の魅力は、ほとんど魔力といった方がいい…私はこの目で何人も被害にあった人間を見ているから言えるんだが、まずは花園の呪いじみた魔力を浄化しなくちゃダメだ…」

「浄化、ですか…」

「もちろん鳴海君が嫌だと言うなら、この話はこれで終わりだがね…」

桂木は細い目をもっと細めると、鳴海に笑いかけた。
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