元ヴァイオリン王子の御曹司と同居することになりました
うん、と答えてその場を離れた私のところに、早速女友達がやってきた。
「ちょいちょい希奈っ、あのイケメン誰っ⁈」
「ちょっとした知り合い」
「昔の彼氏?」
「まさか! 小学生の頃に少しだけ一緒のオケにいただけ」
「ならいいけど。それ、ちゃんと博史さんに言っときなよ? 怖い顔で見てたから」
心の中でため息をつく。
博史は、ヴァイオリンの一期上の先輩で、私の彼氏。
私が他の男の子と仲良く話をするのをあまり好まないのだ。
「……わかった」
「で、イケメンは楽器できるの?」
「ヴァイオリン」
「おおお、イケメンヴァイオリニストが我が団に! でかした希奈!」
「私は別に何もしてないけど」
出海君は、あっという間にみんなの人気者になった。
なお、他にも佐々木さんがいたので、出海君は表では下の名前で呼ばれ、裏では女子からまたも『ヴァイオリン王子』と呼ばれるようになった。
(ついでに言っておくと、アイザワも他にいたので、私もみんなから下の名前で呼ばれていた。)
出海君はオケメンバーから話しかけられることも多いけど、自分からもよく話しかけていた。100人を超えるオケメンバー全員と話すノルマでも課しているのか?と思うほど。
私は割と人見知りなので、すごいなぁ、と遠くから見ていた。
ただ、出海君が私に話しかけてくることはあまりなかった気がする。
2人で話した記憶はほとんどない。
「ちょいちょい希奈っ、あのイケメン誰っ⁈」
「ちょっとした知り合い」
「昔の彼氏?」
「まさか! 小学生の頃に少しだけ一緒のオケにいただけ」
「ならいいけど。それ、ちゃんと博史さんに言っときなよ? 怖い顔で見てたから」
心の中でため息をつく。
博史は、ヴァイオリンの一期上の先輩で、私の彼氏。
私が他の男の子と仲良く話をするのをあまり好まないのだ。
「……わかった」
「で、イケメンは楽器できるの?」
「ヴァイオリン」
「おおお、イケメンヴァイオリニストが我が団に! でかした希奈!」
「私は別に何もしてないけど」
出海君は、あっという間にみんなの人気者になった。
なお、他にも佐々木さんがいたので、出海君は表では下の名前で呼ばれ、裏では女子からまたも『ヴァイオリン王子』と呼ばれるようになった。
(ついでに言っておくと、アイザワも他にいたので、私もみんなから下の名前で呼ばれていた。)
出海君はオケメンバーから話しかけられることも多いけど、自分からもよく話しかけていた。100人を超えるオケメンバー全員と話すノルマでも課しているのか?と思うほど。
私は割と人見知りなので、すごいなぁ、と遠くから見ていた。
ただ、出海君が私に話しかけてくることはあまりなかった気がする。
2人で話した記憶はほとんどない。