もっとずっときっと君を

「席替え?」

 
 その日はいつもと変わらない平凡な日。


 1つ違ったのは今まで主人公席だった私の席と離れること。


 窓際の席一番後ろ。


 まぁ寝たらすぐ当てられる席だから離れて全然いいんだけど。


 出来れば真ん中の方の窓際の席がいいなぁ。


「相変わらず眠そうな顔だな。しっかり寝ろよ。」


「ばっちり寝てるんだけどなぁ。」


 私の席まで来てそんなことを話す男子生徒。


 彼の席は廊下側の一番前。


 所詮小学校からの腐れ縁である。


「やっと席替えだな!ついに一番前から開放されるぜ。」


「もっかい前の席になるんじゃない?去年はほぼ前の席だったでしょ。」


 明るくて人気があるのはいいが煩くて先生に目をつけられていた去年。


 これでも風紀委員。


「案外一番後ろだったりするんだって。俺は信じてるから!」


「あそ」


 絶対にないわ。


 だって煩いもん。


「久保田ー」


「ほら呼ばれてるよ。」


 久保田 悠也。


 短髪のくせっけが似合うタレ目の少年である。


「あーやー!!」


「何」


「席はなれちゃうなんて悲しい…ずっと隣がいいよぉ…」


「高瀬が困ってるだろ雛姫。」
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