華麗なる国王の囚われ花嫁~若き絶対君主の一途な愛~
「ナディは!?今どこに!?」
「部屋のベッドに運んで様子を見ているところです!もう少しでお医者様もいらっしゃるかと……!」
「すぐ行くわ、案内してちょうだい!!」
着替えている余裕なんてない。
ガウンを羽織った状態で、足早にナディの部屋へと向かった。
手が小刻みに震え、氷のように冷たくなる。
ナディは大丈夫なのだろうか。
もしものことがあったら……!!
部屋へと着き、横たわるナディの傍へと駆け寄った。
顔や腕には落ちたときに付いたであろう傷があり、血が滲み出ている。
「ナディ!しっかりして!!ナディ!!」
必死にナディの名を叫んだ。
しかし応答はない。
たまに、痛むのか顔を歪ませるだけだった。
「どうしてこんなことに……」
床に膝をつき、ナディの顔をそっと撫でる。
もしかしたら私が、知らないうちに無理をさせてしまったからかもしれない。
疲れがたまって、誤って階段から落ちてしまったのだと……。
私の侍女にならなければ、ナディはこんなことにはなっていなかったはずだ。
私がもっとしっかりとしていれば……!!