華麗なる国王の囚われ花嫁~若き絶対君主の一途な愛~

「どのみち、私のせいね。本当にごめんなさい、私がここにいるばかりにナディにまで危険な目に合わせてしまって……」

「ソフィア様のせいではありませんよ。そんなこと仰らないでください。大丈夫です、私は生きていますから」

ナディはそう言って、弱々しく微笑む。
それが余計に私を苦しめた。

いったい誰なの?
私のことが気に入らなければ、直接私にやればいい。

関係のない人間に危害を加えるなんて、そんな姑息な手を使うなんて……!

考えることはたくさんある。
しかし、このままナディの部屋にいては、ナディも気が休まらないだろう。


「……まずはゆっくり休んで。怪我が良くなるまで私のことは気にしなくていい、自分のことは自分でやれるから」

「申し訳ございません、お言葉に甘えたいと思います」

「ううん、そんなことない。元気になるのが一番だもの」

そう言って、私はナディの部屋から出た。

廊下には騎士がひとり立っている。

「お話はもう済まれましたか?」

「ええ、部屋に戻るわ」

「今日一日、様子を見るようにと王子より仰せつかっております。この後は私が責任をもって見守り致しますゆえ、ご安心ください」

「ありがとう、よろしくお願いします」

私は騎士に頭を下げる。

騎士はまさか私が礼をするとは思ってもみなかったのだろう、少し驚いた表情を浮かべたが、すぐに敬礼して、部屋の扉の横に立った。
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