華麗なる国王の囚われ花嫁~若き絶対君主の一途な愛~
中に入っていたのは、言いたくもないが家畜の排泄物。
それが毎日朝起きて扉を開けると、部屋の前に置かれているようになったのだった。
なんとも地味で、かつ精神的に堪える嫌がらせ。
朝っぱらから気分が滅入るったらありゃしない。
「では捨てて参ります」
「ごめんなさい、嫌な役回りをさせてしまって」
「構いませんわ、これが私の仕事ですもの」
ナディは顔を顰めながら、その箱を捨てに部屋を出ていく。
……誰がこんな子供染みた嫌がらせをしているのかしら。
本当は薄っすらと気づいている。
多分、……あのお方だろう。
でも確たる証拠もなく、動きようもない。
この城の中ではあまり目立つ行動もできない。
自分の無力さを痛感し、大きくため息をついた。