華麗なる国王の囚われ花嫁~若き絶対君主の一途な愛~
予想だにしない話に、耳を疑った。
エリスとの婚姻を解消する!?
それはつまり、側妃ではなくなるということ!?
「お待ちください王子!なぜエリス様が!?」
「エリスが公爵家の出であること、フェルナンドはこの件で辺境伯の位となること、家柄としても申し分なく、辺境伯夫人としての裁量は十分に兼ね備えているからな。この上ない良縁であると思われるが」
「で、でもそれではエリス様のお気持ちは……!!」
「気持ち?前にも言っただろう?私とエリスの間にはなにもない。とある理由で側妃として置いているだけだ。それはエリスも十分に納得しているはずだが?」
……違う。
エリスはそうは思っていない。
彼女はたしかに王子に対して特別な感情を持っている。
でなければ私にあんな行動をするはずがないわ!
「ソフィア、どうした?」
「違う、違うわ」
「なにが違うという?君はよくエリスのことを知らないだろう?なにも知らないソフィアが口を出すことではない。それにもう決まったことだ。これで晴れてソフィアは私の正妃となる」
「そんな……!!」