華麗なる国王の囚われ花嫁~若き絶対君主の一途な愛~
「話はそれだけだ。……さて、そろそろ帰ろうか」
しかし王子はこれ以上の話は無用だと言わんばかりに、そう切り上げ城の中へと戻ろうとする。
「王子……!」
「私のことは心配には及ばん。ソフィアは早く私を好きになるよう努力すればいいだけだ。さあ、行くぞ」
半ば強引に私をエスコートし、その場を後にする。
そしてエントランスへと入った瞬間、鋭い視線が突き刺さった。
私は思わずその視線の先を向く。
そこはエントランスの真ん中にある、二階へ上がる螺旋階段。
その途中で立つ、一人の女。
―――エリス……!!