華麗なる国王の囚われ花嫁~若き絶対君主の一途な愛~
それから私は着替えるために、一旦部屋へと戻った。
軽く湯浴みを行い、新しいドレスに着替える。

事を終えてひと息ついた頃、王子が部屋へとやってきた。

「今からソフィアの部屋を移動する。場所は私の部屋の隣だ」

「え?い、今からですか?」

「ああ、ここは私のいる場所から遠く、目が行き届きにくい。警備のことも考えれば、私の傍にいるのが最良だろう」

「でも……」

「これは命令だ。事が起こってしまってからでは遅いんだ。素直に私の言うことに従え」


有無も言わさず、私は王子の部屋の隣に移動することとなった。

そこは今まで使っていた部屋よりもひと回りほど広く、家具も豪華なものが置かれている。

「本来ならソフィアを正妃に迎えたときに与える部屋だった。だがもうそんな呑気なことは言っていられない。順序よりも身の安全のほうが大事だからな」

「あの、本当に……」

「なんだ?」

「本当に、私は正妃となるのですか?」

王子は本当にそれでいいのだろうか?
私を正妃として、この国の王妃となることに迷いはないのだろうか?



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