華麗なる国王の囚われ花嫁~若き絶対君主の一途な愛~
「当たり前だ。私にはソフィアしかいない。ソフィア以外の女を抱こうという気もない。私の隣にいて欲しいのはソフィア、ただひとりだけだ」
その言葉には迷いなんて一切なかった。
じっと私を見据え、堂々とそう話す。
胸の高鳴りが収まらなかった。
今まで私自身をここまで求めてくれた人なんていない。
――傍にいて欲しい。
――私だけ。
親ですらそんな言葉を、私にかけてくれなかった。
目頭が熱くなる。
こんなに心の中が苦しくなるほど、幸福感を味わったのは初めてだ。
「……ありがとう、ございます。王子。私、もう王子のその気持ちだけで十分です」
王子はゆっくりと私の目の前に立つ。
そして、頬に優しく触れた。
「――名を」
「……え?」
「俺の名を呼んでくれ。王子じゃない、ソフィアの前では"アレックス"というただの男だ。お前の声で名を呼ばれたい。その美しい声で」