華麗なる国王の囚われ花嫁~若き絶対君主の一途な愛~

「あら……、もう食べないのですか?」

「食欲がないの。色々とあって、身体が堪えているみたい」

「まあ、今日は特に体力をつけておかなければいけませんのに。それではいけませんわ、ソフィア様」

「――え?」

「王子より、『今日の夜は誰も部屋に近づいてはならない』と申しつけられておりますので」

ナディの言葉に、一気に顔が紅葉する。

あ、あの王子……!!
すでにその気に……!!

「え、あ、あの。……そうなのね」

「もう食べないのでしたら、お下げいたしますね。そして今日の夜の準備を致しましょう」


ナディはそう言って、テーブルに置かれた料理をワゴンに乗せると、部屋を出ていく。


まさか王子が、早めに手を打っていたなんて……。

正直それどころじゃない。
そんな呑気なことをしている場合じゃないのに。

しかし私の心臓は、ドクドクと激しさを増している。
身体の熱も、自然と上昇していく。

それまでの時間をどう過ごせばいいのか、戸惑うばかりだった。


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