華麗なる国王の囚われ花嫁~若き絶対君主の一途な愛~
しかし、フェルナンドの家柄はエリスが嫁ぐには身分が合わず、エリスの両親はエリスを同盟国の公爵家へと嫁がせようとしていて、フェルナンド以外とは結婚したくないと私に泣きついてきた。
そこで一旦私の側妃として婚姻関係を結び、フェルナンドの爵位をそれ相応の爵位に上げてから、エリスとの婚姻を解消して、結婚させる運びだった。
期間としてはもう少しかかると思っていたが、ソフィアの国が攻め入ったことで、大きく状況が変わり、予想よりも早くフェルナンドと結婚できることになったわけだが、まさかそれがソフィアには勘違いさせてしまう結果になってしまったわけで……。
「俺がソフィアに、お前とフェルナンドのことをちゃんと話せば良かったんだ。それを無駄に隠していたからこんなことに……」
「そうね、アレクが一番悪いわね。でも、私も悪かった。アレクのことを好きだと勘違いさせるような行動をしてしまった。私がけしかければ、あなたへの思いを熱くたぎらせてくれると、そう思ったのよ」
「……まったくお前は」
「恋は障害があるほうがより激しく燃えると言うじゃない?ほんの出来心だったのよ。それがまさかこんな結果を招くなんて……」
ごめんなさい、とエリスはソフィアに対して、小さく呟く。
過ぎてしまったことは仕方ない。
今回は色んな出来事が重なりすぎてしまった。