華麗なる国王の囚われ花嫁~若き絶対君主の一途な愛~
こんな状態でソフィアの寝顔を見たくはなかった。
本当は、穏やかな朝日が射し込む部屋のベッドで、幸せそうに眠るソフィアの顔を隣で見たかった。
……早く、早く目を覚まして。
君が起きてくれなきゃ、俺はなんにもできない。
あんなに苦しいときに、それでも無理をして作った笑みなんか、俺にはいらないんだ。
俺が見たいのは、そんな笑顔じゃない。
君が心から幸せだと、そう言って笑ってくれるソフィアが見たいんだ。
そのためには君が起きてくれなきゃ始まらない。
俺はずっと傍で、君が目覚めるのを待っている。
――生きることを諦めるな。
生きてさえすれば、必ずその先に希望はあるから。
だからその目を早く開けて欲しい。
あの強さを含んだ瞳で、私を見つめて欲しい。
多くは望まない。
ソフィアさえいれば。
「ソフィア……、俺の愛する人」
俺は、眠るソフィアに唇を落とす。
俺の願いが叶いますようにと祈りを込めながら。
初めての口づけはとても切なく、ソフィアの唇の感触が、さらにその思いを増長させた。