華麗なる国王の囚われ花嫁~若き絶対君主の一途な愛~
目の前が、やけに眩しいと感じた。
思わず瞑っていた目をさらに強く瞑る。
その瞬間、今までの曖昧な感覚とは違う、ハッキリとした感覚に、ハッと我を取りもどす。
部屋の匂いが分かる。
何気ない音もしっかりと耳に入ってくる。
閉じていた目を、ゆっくりと開けた。
目を開けて最初に見たのは、ベッドの天蓋に描かれていた絵。
細かい部分の色まで、しっかりと私の目には映って見えていた。
ふと右手を動かそうとしたが、なにやら温かいものに覆われ動かすことができない。
横に顔を向けると、王子が私の手を握っていた。
王子は目を見開いて、私を見つめている。
「……ソフィア」
「王子……?」
小さな声で名を呟くと、王子は今にも泣き出しそうな表情になった。
その表情にツキリと胸が痛む。
しかしすぐに安心したような笑みを浮かべ、絞り出すように声を発した。