華麗なる国王の囚われ花嫁~若き絶対君主の一途な愛~
「良かった……!ずっとこのときを待っていたんだ……!」
より右手を強く握られた。
その強さで、どれほど心配していたのかが分かる。
「10日程意識が戻らなかったんだ。意識が戻らなければ、君の命は危ないと言われていた。だが目覚めてくれて本当に良かった」
「……そう、なの」
身体を少し動かすと、ズキリと傷が痛んで顔を歪ませる。
その痛みに、私は生きているのだと改めて実感した。
「まだ傷は塞がっていないんだ、無理をするんじゃない」
王子は心配そうに声をかけてくれる。
本当は上半身だけでも起こしたかったが、まだそれはできないようだ。
仕方なく動かすことを諦め、横に向けていた顔をまた天井に向けた。
「私、死ななかったのね。戻ってきたのね」
そしてポツリと漏らす。