華麗なる国王の囚われ花嫁~若き絶対君主の一途な愛~
……とは思いつつ、鏡で自分の姿をじっと見る。
久しぶりの化粧に綺麗なドレス。
その美しさに、思わず見とれてしまう。
「私もちゃんとすれば、それなりに見られるのね」
なんて呑気に言いながら、くるりと回ってドレスの裾をふんわりと浮かせていると、ガチャ、と扉の開く音がする。
その音に慌てて回るのを止め、扉の方向を見た。
扉を開けた先には、正装姿のアレックス王子が立っていた。
白い六つボタンのジャケット。
詰襟部分には金糸で美しい刺繍がされている。
ボタンももちろん金であろう。動くとキラリと光った。
右目はいつものように髪で隠されていたが、反対側はしっかりと整えられ後ろに流れている。
今まで見た姿とは違う出で立ち。
私は思わず身構えた。