華麗なる国王の囚われ花嫁~若き絶対君主の一途な愛~
「……ほう」

そんな私を王子はゆっくりと視線を上から下へと動かした後、そう声を漏らし、ニヤリと口角を上げる。

「なにか言いたげのようですね」

余裕の伺える表情にムッとして、ついそう言い返してしまった。

「国は無くなろうと、やはり王女だ。その姿、様になっている」

その言葉は、褒めているのかどうなのか、よく分からない。


返しに困り、代わりに眉を顰めた。

そもそもなんで、王子まで白の正装姿でいるのかしら。
まるでこれじゃあ……。

王子はその場で立ったまま動かず、じっと私を見続けた。
その視線に耐えられず、目が泳いでしまう。

もう無理!
この空気を変えなければ!

私は王子に問う。

「これは、いったいどういうことなのです!?」


王子はフッと笑う。
そしてその口からは驚くべき言葉が発せられた。




「今日は私達の結婚式だ。―――ソフィア、お前は私の妻となる」

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