華麗なる国王の囚われ花嫁~若き絶対君主の一途な愛~
「お待ちしておりました、アレックス王子、ソフィア王女。さあ、こちらへ」

祭壇の前では、年を召した司祭であろう男が優しく微笑んで立っている。


「さあ、ソフィア。行こう」

先程までの強引さとは打って変わって、王子は優しく私の手を引き、司祭の前まで共に行くように促される。

私の足は小刻みに震えていた。

行きたくないのに、魔法にかかったかのように一歩ずつ進んでいく。


大聖堂の中は、私たちと司祭以外、誰もいなかった。

ついてきた騎士たちも、どうやら外で待機しているようだ。



これはいったいなんの儀式なの?

正装させられて、こんな厳かな場所に連れて行かれて。

でも、誰もいない。
祝福の声すらない。

これが、結婚式なの?

私が想像していたのとは違う。

沢山の笑顔に囲まれて、祝福されて、ヴァージンロードを歩く、そんな結婚式を思い描いていた。

それなのに、全くの真逆の状況。


こんな……、こんな状態で、神になんて誓えるわけない!
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