華麗なる国王の囚われ花嫁~若き絶対君主の一途な愛~
ナディは、よもや私がそんなことを言うとは思わなかったのだろう。
少し驚いた表情を浮かべて私を見た。
「どうかした?」
「い、いえ……。あの、聞いていたのと少し違うな、と」
「聞いていたの、とは?」
ナディはその問いに、とても言いにくいのか口をモゴモゴとして、話そうとはしない。
このまま流しても良かったが、どうせ長い付き合いになるのだろうし、色々と知っておいた方がいいと、畳みかけるように聞いた。
「で?なに?遠慮しないで言ってちょうだい。別にいまさらなにを言われても、傷付きやしないし」
「それは、……あの」
「いいから」
観念したのかナディは恐る恐る口を開く。
「あの……、噂ではソフィア様はとても傲慢で強欲な方だと。この結婚も、ソフィア様が殿下の足元に縋り、『死にたくない助けてくれ』と泣きわめいて恩赦を乞い、王子が仕方なくソフィア様をお助けになられたと、そう言われておりまして。……ですから」