華麗なる国王の囚われ花嫁~若き絶対君主の一途な愛~
言葉の衝撃が私を襲う。
くらり、と意識が遠のきそうになり倒れそうになるのを、近くにあった椅子の背もたれを掴んで、なんとか踏ん張った。
まさか私が、そんな風に噂されているとは思わなかった。
確かにこの国に闘いを仕掛けた愚国の王女だし、いい評判なんてないと思っていたけれど、父と同じような印象で噂されているなんて。
「そ、そうなの……。でも、そう思われるのは仕方ないわよね……そうよね」
なるべく平静を装うが、言葉の節々に動揺が浮き出てしまう。
この噂でわかったことがひとつ。
それは城の中の人間に、私の味方は誰もいないということ。
皆、その噂通りの人間と認識して、私に接してくるはずだ。
それが言葉となってハッキリと浴びせられるのか。
行動となって現れてくるのか。
いずれにしても、覚悟して生活しなくてはいけないということだ。
「……まあいいわ。そのときになったら考えればいいこと。……それよりも、ナディひとつお願いがあるの」
とはいえ、今ウジウジと考えている余裕はない。
まずやらなくてはいけないことがあるのだ、私には。
「は、はい。なんでしょう」
「このドレスを脱がすのを手伝ってくれるかしら?後ろ、手が届かなくて」