華麗なる国王の囚われ花嫁~若き絶対君主の一途な愛~
その後ナディが着替えを持って戻り、そのドレスに身を包む。
淡いブルーの裾がふわりと広がったドレス。
スカート部分が華やかなのに対して、上半身はなんの飾り気もない、いたってシンプルなものだった。
それでも今まで牢の中で着ていた、破れかけていたボロボロのドレスとは雲泥の差。
派手なものを好まない私からしたら、もったいないくらいのドレスだった。
「化粧と髪はどういたしましょう?」
「もう少し緩めたいわ。久しぶりすぎて少し息苦しく感じるの」
「かりこまりました」
ナディは手慣れた手つきで髪飾りを外し、ガチガチに纏められていた髪の毛も少し緩く纏める。
ベタベタに塗られた化粧も温められたタオルで優しく落としたあと、薄く化粧をし直してくれた。
お陰ですべてが終わったころには、重い鎧を外したようにとても身体が軽くなった感じがした。
「はあ……久しぶりのコルセットに化粧に。なんかあちこち身体痛くて仕方ないわ」
「お疲れ様でした。……と言いたいところですが、この後、王子ともうひとりの側妃であるエリス様とのお食事会が予定されておりますので、まだお休みすることはできませんよ」
「ええ!?なにそれ!!」