華麗なる国王の囚われ花嫁~若き絶対君主の一途な愛~
――どうやらそのまま寝てしまっていたらしい。
気が付いたときには、部屋の中は真っ暗だった。
ベッドの寝心地が良すぎたのが原因だろうか。
サラサラとした肌触りのいいシーツが私を優しく包み込むようで、気持ちいいと感じたところで記憶は途切れている。
思い上半身を上げ、暗くなった部屋の中を目を凝らしながら見回したが、どうやらとっくにナディは自室に戻ったのか、部屋の中は私ひとりだった。
「私、どれだけ寝てしまったのかしら……」
かなりの時間寝ていたと思うが、まだ眠いのか自然とあくびが出てしまう。
どうせ夜遅いのだし、このまま寝なおしてもいいのかもしれないが、寝てしまったら明日がすぐにやってきてしまうのがなんとなく嫌で、少し起きていることにした。
入り口に取り付けられたランプに明かりを灯す。
すると、ぼう、とゆっくり部屋が明るくなり、部屋の中が見えるようになった。
辺りをよく見回すと、部屋の奥には扉がある。
開けると、そこは湯浴みのできる浴場であった。