華麗なる国王の囚われ花嫁~若き絶対君主の一途な愛~
最初の頃はなにかしたくて、時間が異常に長く感じられておかしくなりそうだったけど、あるときを境に、なにもしない時間も苦ではなくなった。
どうせ、私はいずれ処刑されるんだろうし。
国もない。
あんな馬鹿なことを考えるような一族の血を引く人間なんて、生きてる価値もない。
私に待っているのは、たったひとつだけ。
その日をいつなのかって待っているだけの日々。
いつになるのだろう。
どうせなら早くして欲しいんだけど。
「ご馳走様でした」
味のないパサパサパンを食べ終わり、見張りの騎士に聞こえるように言うと、固いベッドに座った。
このまま昼食の時間になるまで、静かに過ごす。
ぴちょん、と一定に下に落ちる水滴を眺めながら、呆けた顔でただそこに座っている。