華麗なる国王の囚われ花嫁~若き絶対君主の一途な愛~
初夜!?
つまり初夜を迎えるために、ここに来たってこと!?
私はぱくぱくと口を動かして、声を出せない。
そんな私を見て、王子は噴き出しながら話す。
「ようやく理解したか。そうだ、お前と初夜を過ごすために、遅い時間ひとりで部屋に来たんだ。感謝しろ」
か、感謝しろって!
誰がいつ来てくれなんて頼んだのよ!
「無理です!私たちの間に愛もないのに、王子となんてできるわけないでしょう!?」
「……ほう?」
王子の表情から一瞬にして笑顔が消える。
そして椅子から立ち上がったかと思うと、私の腕を掴み、身体を寝台へと押し倒す。
そのまま王子は私の上に覆いかぶさった。
王子の色違いの瞳が、怪しく私を射抜く。
ドクドクと心臓が不安げに大きく鳴る。
「随分と生意気な口を利くな。お前が今、どういう状況か分かっているのか?」
「……そこをどいて」
不機嫌そうな表情を浮かべて私を見下ろしていたが、怯むこと無くそう言い捨て、逆に王子を睨んだ。