華麗なる国王の囚われ花嫁~若き絶対君主の一途な愛~
……私の人生、一体なんだったんだろう。
王女として生まれたけれど、決して裕福な生活ではなかった。
父は見栄ばかり張って、周りで持ち上げる奴らと、下品な女にばかりお金を使って、私にはなーんにもなかったのよ?
化粧品もドレスも、その女たちのお下がり。
あんな下品な女が着ていたのを私が着るなんて、考えただけでも嫌だった。
けれどそれを着なきゃ服がなかったから、何回も洗って仕方なく着て。
化粧品はさすがに気持ち悪くて使えなかった。
だから城にあるお金になりそうなものをこっそりと盗んで、それを売ったお金で最低限のものだけ買っていたわ。
侍女だって日を追うごとに少なくなって、最終的に一人だけになってしまったし。
王妃である母は、そんな父の女遊びにずっと心病んでいて、やがて本当に病気になって亡くなってしまった。
次期国王になるはずの兄もいたのだけれど、父と一緒になってこの国に攻めて、簡単にやられてしまったらしいわ。
もちろん父である国王も一緒にね。
ほーんとに、馬鹿。馬鹿ばかりよ。
そんな人間の血が自分にも流れているのかと思うと、本当に嫌になる。
死んでもなお、アイツらと一緒の世界なんてゴメンよ。
どうか、死んだら私は天国へ行けますように。
私、本当になにも悪いことをしてないんだから……。