華麗なる国王の囚われ花嫁~若き絶対君主の一途な愛~
「すぐに帰るのではなかったのですか?」
「少し、とは言ったがすぐ、とは言っていない」
……屁理屈。
ああ言えばこう言う。
「まず、いい。そこに座れ。話をしよう」
王子は私を昨日と同じくベッドに座るよう促す。
しかし、私は座ることを躊躇してしまった。
なぜなら、昨日のように唐突に押し倒されてしまったらどうしようと、不安になってしまったから。
昨日は引いてくれたから良かったものの、今回はそうとは限らない。
彼は男であり、王子であり。
こちらがどんなに抵抗したところで、女の力では到底敵うはずもない。
そんな私の態度に王子は気づいたのか、クククと肩を震わせて笑い始めた。
「ああ、すまない。大丈夫だソフィア、もう襲ったりはしない。昨日言った通り、君が私を好きになるまで深い関係になることはないと約束しよう。だから心配せず座るんだ」
そう優しく言って、再度座るように促した。
……その自信は一体どこからくるのだろう。
私が王子を好きになることなんて、あるはずないのに。
そう思いながら、渋々ベッドに腰かけた。