華麗なる国王の囚われ花嫁~若き絶対君主の一途な愛~
「さて、では話をしようか。まず、そうだな。贈り物は喜んでもらえたかな?」
私が座ると早速王子は話し始める。
贈り物とは……、つまり今日ナディが渡してきたあのネックレスのことだろう。
本来ならば、好みでなくても気に入ったと言うべきなのだろうが、変に気を遣い余計気に入られても困る。
ここはハッキリと言って、あまりいい印象を持たれないようにしよう、そう考えた。
「ああ、あれですか。困った時のお金の足しにはなりそうです。ありがとうございました」
「ということは、あまり気に入らなかったということか」
「私、あまり派手なものは好みませんから」
「そうか。……では次はもう少し大人しめなものを贈るとしよう」
そう言って王子は納得したように頷く。
私の生意気な返答にも、王子は怒ることはなかった。
思った反応ではなく拍子抜けしてしまう。
「……怒らないのですか?」
「どうして?」
「いえ、だってとても失礼な発言をしたではないですか」
「人には好みがあるだろう?私がそれを知りもせず贈ってしまったのが悪いんだ。むしろ逆にハッキリと言ってもらって助かる。これでソフィアの好みをひとつ知り得ることができたから」