華麗なる国王の囚われ花嫁~若き絶対君主の一途な愛~



―――目の前の人は、やたらと美麗な男だった。




190㎝くらいはあろうか手足もすらっと長く、詰襟の部分に装飾が施された黒色の軍服の上に青色のマントを羽織り、腰には柄に細かな彫刻のなされた長剣がぶら下がっている。


軍服の上からでも鍛えているのが分かるくらい、身体はがっちりとしていて、髪の色は蝋燭の明かりでハッキリとは分からないけれど、その色は紛れもなく赤みのある茶色。


鼻はすらっと高く、唇も少し薄いけれど綺麗な形をしていて。

そして左右アシンメトリーの髪は、右目を隠すように流れている。



くっきりとした二重のアーモンド型の目。


左の瞳は金色。

そして髪で隠れた部分の瞳の色は……。



「金と、銀の王子……」



私は思わず呟いた。


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