華麗なる国王の囚われ花嫁~若き絶対君主の一途な愛~
「……って、言われたのよっ!」
「なんだって?」
「あなたとエリスは深い関係があると言われたの……!」
王子の動きがピタリと止んだ。
私は息を荒ませ、肩を大きく上下させる。
身体の中に一気に空気が入り、真っ白になりかけていた頭の中が、徐々に色づき始めた。
「深い関係……?」
「いいから、離してっ!ちゃんと言ったでしょう!?」
王子は私の腰に回していた腕を離した。
しかし身体の力が抜けた私の身体は自力で立っていられず、後ろの扉に寄りかかるようにして、ずるずると座り込んでしまう。
王子はハッとした表情で再度手を差し伸べ、立ち上がらせようとする。
「大丈夫か?フィオナ」
「触らないで!少し驚いてしまっただけよ……っ!」
けれど私はその手を取らなかった。
自身の身体を抱きしめるように、両腕の布をギュッと握りしめ強がる。