華麗なる国王の囚われ花嫁~若き絶対君主の一途な愛~
「――で。お前は、どちらを信じるんだ?」
「……え?」
静かに問う声に、ハッと我に返る。
私はゆっくりと顔を上げた。
精練された美しい顔が、私を見下ろす。
「再度言っておこう。私とエリスの間にはなにもない。ある理由のため、一時的に側妃の座に置いているだけ。かと言って確たる証拠はないから言葉のみで信じて貰うしかないが、ソフィアはどちらを信じる?私か、それともエリスか」
「……っ、それは」
「今すぐに決めろとは言わない。だがよく考えるんだ、どれが真実で嘘かを。行動をよく見ていればおのずと分かるだろう」
王子はそう私に告げると、私を横抱きにしそのままベッドへと横たわらせ、そして優しく私の頭を二回ほど撫でた。
薄っすらと笑みを浮かべながら。
温かく、大きな手。
胸が自然と高鳴った。