敗戦国の姫となった主人公。それも、悪名高い父を持つ国の主人公は、敵国の牢でただ自分の命がなくなる日を待っていた。
最初から、自分の命の価値を低く見ており、客観的な考えを持つ主人公。自分の命など、いつ捨ててもいいという考えの中、生きている彼女は、その反対のことが自分に起こり戸惑う。
自分の価値を低く見ているからこそ、優しさを与えられる深い人物。でも、それは愛する者から見れば、すぐにでも自分の命を捨ててしまうのではないかという儚さもあり、心配が絶えないし、やりきれない。
複雑な心境の中、数々の問題も持ち上がり、中身が深いからこそ、少しページ数が少ないこともあり、さらっと流れていってしまったのが残念でした。もっと掘り下げて書いてほしい部分もあり、そこが物足りなかったです。