私がキスしたいのはあなたです。



「待ってっっっっ!」


私の声を聞き小川がもう一度振り返る。


「ん?どうした?」


「えっと………」


小川が不思議そうに私のことを見つめる。


「私………小川のことが好きです。」


「え?………ありがとう」


やっぱり私は小川の顔が見れない。


「あの、返事はもう少し待っててもらってもいいかな?」


「うん!あの……いつでも大丈夫だから。」


「ありがとう。じゃあ、また明日。」


「うん、また明日。」


小川は帰って行った。


小川の姿が見えなくなると、私はその場に座り込んだ。


言ってしまった。


勝算はなかったけど、返事を今度返してくれるということは、少し考えてくれるということだろう。


嬉しかった。


これからどうなるか分からないけど、小川を待とう。そう思った。


< 11 / 26 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop