私がキスしたいのはあなたです。
「そういえば、鎮西学園の誰だったかがこの市内出身らしいぞ。」
小川のことだ。
「へえ、そうなんですか。」
「なんか全く関係ないけど誇らしいよな。」
「そうですね。それじゃあ部活に行ってきます。」
「おう、ストレッチは入念にな。」
私は話を切り上げ、職員室を後にし、部室に向かった。
まさかここで小川の話が出てくるとは思わなかった。
元気にしてるかな…………私のことなんてもう忘れちゃったかな………
「もう!!鈴夏遅いよ!!早く着替えて!」
部室に着いて早々、瞳に怒られる。
「ごめんって。顧問の雑談が長かったんだもん。」
「あぁ、それは面倒くさいわ。まぁ、先行ってるよ!」
どうやら遅刻理由に納得してくれたらしく、足早にプールへ走って行った。