私がキスしたいのはあなたです。



またジャージに着替え、休憩所に戻ると、アップなのに飛ばしすぎだとコーチや瞳に怒られた。


しかし、それに反省するというよりも、鎮西学園のあの女子に対する対抗心はどこから来たのだろうかと疑問に思う気持ちで頭と心はいっぱいだった。


しかし、そんなことばかりを考えてはいられない。


すぐに気持ちを切り替えた。


私の今日の出番は2回。


開会式の後すぐと、午後の最後だ。


少し長ったらしい開会式は、鎮西学園のためにあるようなものだ。


去年、インターハイで優勝したことの報告とオリンピック候補生が出たことの報告などが予定されているだけ。


去年、小川もインターハイに出場していたことは、新聞で知っていた。


去年のこの大会に、私は出場していなかったために会場で小川のことを見ることはなかった。


まあ、今年も会うことはないだろう。


私は、開会式の内容を受け流しながら、自分の出番のことを考えた。


< 18 / 26 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop