私がキスしたいのはあなたです。



思い出さないようにしていたが、私は小川に1回振られている。


ということは、小川に嫌われている可能性は十分にある。


でも、私の心がまだ小川を諦めていないのだ。


心の葛藤をしながら携帯を見つめること30分、私の携帯の通知がなった。


急いで開いてみると、そこには小川からの返信があった。


自然と笑顔になってにやけが止まらない。


人気の少ないところまで移動して、ゆっくりと読む。


「久しぶり、元気です。ありがとう。長谷部も水泳部だったんだね。お互い頑張ろうね。」


小川らしい文だった。


私はすぐに返信した。


「水泳部だよ。平泳ぎをやってます。これからあともう一回レースがあるよ。頑張ろうね。」


今度はすんなり送信ボタンを押した。


取り合えず、返信が返ってきたことにほっとした。


今度は10分くらいで返信が来た。


「平泳ぎなんだ。じゃあ、プログラムで確認してみるね。頑張れ。」


プログラムで確認してみるということは、レースを見てくれるということだろうか。


そうだとしたらと考えると、出番はまだ先なのに、一気に緊張し始めた。


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