私がキスしたいのはあなたです。
中学生になり、私は水泳部に入部した。
勿論、夏と小川もだ。
私は、運動音痴の私が唯一できるようになったスポーツだから中学でも頑張るために水泳部に入部したわけで、決して小川がいるからではない。
と、自分に言い訳をした。
しかし、ほとんど初心者の私は、練習についていくのがやっとだった。
夏や小川が練習が終わって楽しそうに喋っている傍ら、私は練習の疲れで息を整えていることしかできなかった。
情けない…………
せっかく小川と同じ部活に入ったんだから、部活終わりに喋りたいとよこしまな気持ちを持っているあたりやっぱり小川のことが好きなんだ。
と、ようやく私はここで小川への恋を自覚したのだった。