凪ぐ湖面のように
「それって努力と忍耐が作っているストイックな身体ってことですよね? 凄いです。尊敬します」

本当にそう思う。私には絶対に真似できない。でも、私の言葉が意外だったのだろうか? 明日香さんが目を見開いた。

「そんな風に考えたことなかった。そうか、それって凄いことなんだ」
「あら、いいお顔」

小町さんが微笑む。

「貴女、いつも胡散臭い笑みばかり作っていて嫌いだったけど、今の顔はいいわ。岬ちゃんと話せて良かったわね。この子には浄化の力があるのよ」

また、訳の分からないことを言い出した。

「小町さん、浄化の力ってそれこそ胡散臭いです」
「あらっ、岬ちゃんは湖陽も浄化してくれたじゃない」

はい? どういう意味意味だろう、全く理解不能だ。

「私、信じます! 今、浄化されたように心からスッキリしています。ありがとう、岬ちゃん!」

明日香さんにギュッと抱き着かれ、なぜかまたそれを小町さんが撮っている。今度は動画で。
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