凪ぐ湖面のように
「私も小町さんのこと、自分勝手で怪物のような人だって思っていました。でも、岬ちゃんみたいな普通の女の子と友達って、好感度アップです」

小町さんも明日香さんもお互いに褒め称えているが、何故か水面下での戦いを見ているようで緊迫感が半端なかった。

「明日香ちゃん、まだまだ青いわね。岬ちゃんが普通の女の子? ちゃんちゃら可笑しくておヘソでお茶が沸かせそうよ」

「ストップ、ストップです!」

二人の間に入った私を無視して、明日香さんが訊ねる。

「彼女が普通じゃなかったら何だって言うんですか!」

「そうね……」ウーンと宙を見つめ、小町さんは何か浮かんだのかパチンと指を鳴らした。

「物事を正める教祖様かしら?」

フムと明日香さんが黙り込む。そして、ウットリするような笑みを浮かべて大きく頷いた。

「ご意見に賛同致します」

いやいや、賛同しなくていいから!

浄化とか教祖様とか、怪しい宗教家みたいじゃない。今夜は厄日? 何という日だ!

だから両親の関与するパーティーは嫌なんだ。次回から、何があっても行かないぞ、と心に決める。
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